貯金も年金も少なく、持ち家しかない親が万一介護になった場合どうしょうと悩んでいませんか。
一般的には、私たち子供もそんなに経済的な余裕はなく、認知症などになった場合、在宅での介護もできないし、施設介護になれば、有料老人ホームの費用は高額で支払うことが困難だからです。
親が75歳を超えたあたりから、地域包括センターや介護保険課に聞いてみたり、インターネットで低額で入れる施設などを調べて情報収集してみるとよいでしょう。
具体的には、まずは、貯金や年金が低額でも入れる介護保険施設を探してみましょう。例えば、人気の「特別養護老人ホーム(以下特養という)」です。特養は、貯金も少なく(現在、単身の場合は預貯金が1000万円以下)年金も少ない方(住民税非課税世帯)には、軽減措置があります。
ただし、誰でも入所できるわけではなく、基準が原則、要介護3以上となっています。また、入所するにあたりその人の環境に応じて入所できる順番が決まりますので(緊急度合い等を考慮)待期間が長くなったりする場合もあります。
その間、「低額な有料老人ホーム」に入居して、順番待ちをするのか、介護保険施設である「介護老人保健施設」に入所して順番待ちするか等をキャッシュフロー表でシミュレーションしてみると資金余裕度合いが一目でわかります。
その他、例えば、子供さんが2人など複数の場合は、不足額を負担しあうのか、自宅を活用して有料老人ホーム代などの介護費用に充てるのかなどの方法もあります。子供が2人の場合に、不足額が毎月20万円にもなると1人10万円の負担額となり大変です。
できれば、親のご自宅を活用して費用を捻出したほうが介護破綻を回避できるはずです。自宅を活用して費用を捻出する方法は、「リバースモーゲージ」があります。自宅を担保に融資を受けて、元本返済はせずに借入者の死亡時に自宅を売却して返済資金に充てるものです。
その他にも、「移住・住みかえ支援機構」のマイホーム借上げ制度を利用して家賃収入を得て、有料老人ホーム代等に充当するのも一つです。自宅売却においては、民事(家族)信託を利用して、信頼できる子供に自宅の管理・処分を依頼する契約を結び、いざ、認知症で判断能力がなくなり、有料老人ホームへ入居となった場合には、自宅を子供が売却できるようにしておくことも重要です。
どうでしょうか。
貯金や年金が少なく自宅しかない親の介護も、自宅があれば活用できます。また、役所やインターネットなどで低額な施設を探したり、子供での費用分担も視野に入れたりして、キャッシュフロー表などを作成して「介護費用の見える化」を図ることにより対策ができます。
ただ、自宅の活用を図る上では、自宅の所有者である親が認知症などで判断能力がなくならないうちに対応することが重要です。
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