もし、80代の親が介護になって年金や貯金が少ない場合は、介護費用をどうするか悩みます。
親の財産で介護費用が捻出できれば全く心配はいりません。
また、軽減制度としても、高額介護サービス費や、高額介護合算療養費制度、また、公的介護保険施設に入所した場合には、「食費・居住費」の自己負担が軽減される制度もあります。
税制面でも、一定の要件を満たせば「医療費控除」や「障害者控除」の適用もあります。
その他にも自治体独自の軽減制度があるかもしれません。
利用できる制度を地域包括支援センターなどに相談するなど積極的動いてみましょう。
仮に、親の介護費用を支援する必要があれば、親の収支や財産を把握し、支援額を「見える化」することが必要です。
そして、資産の活用を念頭に入れて、任意後見制度や民事信託などを検討しましょう。
子ども世代は、自分の生活と自分の老後、親の介護費用をトータルで検討する必要があります。
まずは、お金を色分けしてみてはどうでしょか。例えば、
当面の生活費(親への支援金が●●円、基本生活費●●円、
- 趣味●●円、住宅ローン●●円など)
- 緊急予備資金として●●円
- 数年以内に確実に出ていくお金●●円
- 10年以上使わないお金●●円など
子ども世代の年齢にもよりますが、おおむね65歳くらいまでの方であれば、使わないお金を資産運用して自分自身の介護費用の準備も可能ではないでしょうか。
自分の介護費用の準備は資産運用でも?

仮に、60歳の方の場合を考えてみましょう。
介護になるのはおおむね80歳以降の方が多いので、20年間の運用期間と仮定します。
毎月1万5,000円を「預貯金」にするのか「資産運用」にするかで比較してみると、預貯金の場合(元本のみ)は20年後には360万円介護費用の準備ができています。
介護費用を500万円~600万円とした場合、140万円~240万円不足します。
一方、結果として年3%(複利運用)で運用した場合はどうでしょうか?
20年後には492万円となっています。
仮に4%で運用(複利運用)した場合はどうでしょうか?
20年後には550万円となり、介護費用については安心です。
ただし、運用する場合には注意点もあります。
毎月の積立額は余剰資金であること。
例えば、日経平均の日々の動きをみてもお分かりのように下がったり、上がったりします。
仮に積立金が余剰資金でない場合、下がったときにお金が必要になったときに元本が減っている可能性があります。
あくまで「長期間」の分散投資が一つのポイントになります。
投資してもいつお金を引き出すかわからないという方は、預貯金の他、元本の減らない国債なども検討してみましょう。
NISAの利用で介護費用の準備は?

Q)自分が介護になったときの費用全額を「長期・積立・分散投資」として「NISA」のみで準備するのはどうでしょうか。おおむね介護になるのは80歳以降ときいています。
A)長期の積立期間であれば効率的に介護費用を準備できる可能性があります。
仮に、若くして介護になって、余裕資金などもなく、介護費用を捻出する場合には、「NISA」を取り崩すことになります(他に緊急資金などで足らない場合など)。
そのとき、保有期間が短く、相場が下落時であれば、元本割れの可能性があります。
NISAなど資産運用で介護費用の準備は、あくまでも「長期・分散・積立」投資できることが前提です。
余裕資金などを確保したうえで投資を検討しましょう。
なお、若くして介護になる場合に備えて、民間の介護保険への加入も組み合わせて検討するのも一つです。
50代.60代で介護費用を準備?
(公財)生命保険文化センター「令和6年度生命保険に関する全国実態調査」速報版を参考にし一人当たりの介護費用総額を算出すると約542万円(内訳は、介護に要した費用のうち一時費用の平均は47万円、月々の費用の平均は9万円、介護期間は55ヵ月をもとに単純試算)になります。
あくまでも参考程度と考えて頂ければと思います。
また、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の自己負担の目安約14万円~15万円(各施設との契約)。
なお、詳細は厚生労働省 介護サービス情報公表システムをご参照ください。
さて、自分の介護費用を身近に感じだすのが何歳くらいからでしょうか。
公的介護保険料の支払いが始まる40歳からでしょうか。それとも親や身内が介護になったときに自分の介護を考えるでしょうか。
考えだすタイミングは人によって違いますが、50代~60代前半の方でも、子どもの教育資金、自分が亡くなった後の遺族保障、病気で働けなくなったときの医療保障等、なかなか介護のお金まで手が回らないのが現実でしょう。
準備している介護費用は減らしたくない

「NISA」の制度を使って、「ドルコスト平均法」で購入しておけば絶対に安心でしょうか。
ドルコスト平均法とは、毎月など定期的に同じ金額を購入する方法です。毎月一定額を購入することによって、価格の安いときに多く購入し、価格が高いときには少なく購入することになります。
その結果、購入価格が平均化されます。
例えば、金融庁のNISAのホームページ(つみたてNISA早わかりガイドブック)を参考にすると、保有期間が5年の場合は、元本割れがあります。
一方、保有期間が20年の場合には、元本割れはありません。将来のことは誰にも分かりませんが、過去のデータからは「長期・分散・積立」投資をしていたほうが資産は増えています。
介護費用が必ず20年~30年後、介護費用を「NISA」を取り崩さずに捻出できれば元本以上のお金を準備することは可能かもしれません。
ただし、仮に、5年後などに介護になった場合、緊急資金などお金に余裕がなく「NISA」を取り崩す必要がある人は、元本が大幅に減っている可能性もあります。
まずは、お金の置き場所を明確にして、10年以上使わないお金を介護費用として「NISA」を利用してはどうでしょうか。
まとめ

介護費用をNISAで効率的に準備するのも一つです。
ただし、あくまでもNISAは儲かった分に対して税金がかからないことです。
儲からなかったからと言って損失を補てんしてくれる制度ではありません。
また、「長期・分散・積立」投資によってリスクを軽減しながら預貯金よりも手元資金が増える可能性はありますが、すぐに引き出したりすると元本割れの恐れもあります。
置き場所を決めた後に10年以上使わないお金をNISA等投資で介護費用の準備をし、若くして介護になった場合に備えて、民間の介護保険の利用するのも一つです。
また、どうしても元本が減る可能性があるのが嫌な場合やいつでも引き出したい人は現預金や個人向け国債などを保有するのも一つです。
個々の状況に合わせた最適なプランを考え、実行することが大切です。
介護費用の準備や資産運用についてお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
あなたのライフプランに合った最適なアドバイスをさせていただきます。
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また、介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。
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✅ 介護費用をどこから出すのか決めている(親の資産・子どもの援助など)
✅ 親の銀行口座や財産を管理する方法(家族信託・成年後見など)を考えている
✅ 親が認知症になったときの財産管理・手続きをどうするか決まっている
✅ 介護施設に入る場合の費用や条件を調べたことがある
✅ 介護費用の公的支援制度(高額介護サービス費・税控除など)を理解している
✅ 兄弟姉妹と介護費用や負担について話し合ったことがある
✅ 介護が必要になったとき、誰が主に対応するのか家族で合意している
✅ 親と「介護が必要になったときの希望」について話したことがある
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