ケアマネジャーは介護者にとっては大切!
先般、ケアマネジャーさんとお話する機会がありました。
そのときに本業のブラッシュアップ以外にもFP試験の勉強をしていると言われ、「どうしてですか」とお尋ねしたところ、利用者やご家族の方々から何でも聞かれるので、少しでも対応できるためにFPの勉強を始めたそうです。
確かに、私も親が介護になった時に、介護保険以外のことも何でも聞いていた気がします。改めて大変だと実感しました。
利用者や家族の方々は、介護保険サービス以外にも、遺族年金、自宅の売却、相続、亡くなった後のことなど様々な不安があり、最も身近で頼りになるケアマネジャーの方にご相談されるのでしょう。
遺族年金とは?
さて、遺族年金って何?おそらく遺族年金を聞いたことがないという人は少ないでしょう。ただ、誰がいくらもらえるのかよく知らないという人は多いかもしれません。
遺族給付は、被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合、遺族の生活保障としての給付です。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。
遺族基礎年金をもらえる人
「遺族基礎年金」は、国民年金に加入している被保険者等が亡くなった場合で、一定の要件を満たしている場合に支給されます。
「遺族基礎年金」の受給できる遺族の範囲は、死亡した人に生計を維持されていた「子」または「子のある配偶者」。
ここでいう「子」とは、
①18歳到達年度の末日までの子、
②20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子。
その他、保険料納付要件等がありますがここでは割愛させていただきます。
詳細は日本年金機構 遺族基礎年金をご参照ください。
遺族厚生年金がもらえる人
「遺族厚生年金」は、第2号被保険者(会社員や公務員)が亡くなった場合で、一定の要件を満たしている場合に支給されます。
「遺族厚生年金」の受給できる遺族の範囲は、死亡した人に生計を維持されていた①妻・夫・子、②父母、③孫、④祖父母の順です。夫、父母、祖父母が受給権者の場合は55歳以上であることが要件になっています。また、年金を受け取るのは60歳からになります。
子、孫においては、18歳到達年度末までの子、孫(または障害等級1.2級で20歳未満の子、孫)になります。その他、一定の遺族には中高齢寡婦加算等ありますがここでは割愛させていただきます。
詳細は日本年金機構 遺族厚生年金をご参照ください。
CASE①
子供のいない夫婦を例。
サラリーマンだった夫80歳(老齢基礎年金78万円、老齢厚生年金(報酬比例部分120万円))が亡くなった場合、専業主婦の妻75歳(老齢基礎年金78万円)の遺族年金はいくらになるのでしょうか。※その他の要件は満たしている。
遺族基礎年金は上記の「子」がいないため該当しません。
次に、遺族厚生年金ですが、妻は夫の報酬比例部分の4分の3(120万円×3/4)の90万円が受給できます。よって、妻は夫の亡くなった後は、ご自身の老齢基礎年金(78万円)に遺族厚生年金(90万円)を加えた金額168万円を受給できます。
夫が生きていたころは、夫婦で276万円(毎月23万円)の年金が、夫が亡くなったことによって168万円(毎月14万円)へ。
夫婦でもらっていた年金額の約6割です。思っている以上に少ないのではないでしょうか。
CASE②
50歳も未婚の息子と親夫婦の例。
サラリーマンだった夫80歳(老齢基礎年金78万円、老齢厚生年金(報酬比例部分120万円))が亡くなった場合、専業主婦の妻75歳(老齢基礎年金78万円)の遺族年金はいくらになるのでしょうか。※その他の要件は満たしている。
遺族基礎年金は50歳の息子は上記の「子」に該当しません。
次に、遺族厚生年金ですが、妻は夫の報酬比例部分の4分の3(120万円×3/4)の90万円が受給できます。よって、妻は夫の亡くなった後は、ご自身の老齢基礎年金(78万円)に遺族厚生年金(90万円)を加えた金額168万円を受給できます。
CASE①と同様、夫婦で年金をもらっていたときの約6割です。
※あくまでも概略になりますので詳細は年金機構のホームページ等でご確認ください。
まとめ
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。遺族基礎年金は、国民年金に加入している被保険者等が亡くなった場合で、一定の要件を満たしている場合に支給されます。一方、遺族厚生年金は、第2号被保険者(会社員や公務員)が亡くなった場合で、一定の要件を満たしている場合に支給されます。ただし、遺族基礎年金と遺族厚生年金では受給できる遺族の範囲が違っています。また、受給額もケースによって違ってきますが、厚生年金の受給者である夫が先に亡くなって、専業主婦の妻が遺された場合は、夫婦でもらっていた年金額はかなり減ると思ってマネープランを考える必要がありそうです。
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