将来の介護費用をどう準備するかは、多くの人にとって大きな課題です。
「貯金だけでは不安だけど、保険に入るべきか、投資で増やすべきか…」と迷う方も多いでしょう。
結論から言えば、介護費用の準備には、「保険」と「投資」をバランスよく組み合わせるのも一つの有効な方法です。
なぜなら、介護が必要になるタイミングは予測できず、早く必要になる可能性もあれば、ずっと先の話になる可能性もあるからです。
では、それぞれの特徴を理解したうえで、どのように組み合わせるのが良いのかを考えていきましょう。
投資で介護費用を準備するという考え方
まずは、介護費用を投資で準備するという選択肢について見てみましょう。
投資による準備は、基本的には「長期・分散・積立」という考え方が大切です。
投資の特徴とメリット
投資の最大のメリットは、長期間にわたって資産を増やす可能性がある点です。
特に介護が必要になるのは80歳以降が多いため、10年以上の長期間投資できる資産運用が適していると言えます。
投資を通じて、時間をかけて資産を育てることができるのです。
例えば、株式や投資信託、債券などに分散投資を行うことで、経済成長を享受し、資産を増やすことが期待できます。
長期的に見れば、経済成長に合わせて投資資産の価値が上昇する傾向にあるため、運用益を得ることができます。
従って、介護費用が必要になるタイミングが遅ければ、十分な資金が準備できるかもしれません。
リスクと注意点
ただし、投資にはリスクもついてきます。
短期的には市場の変動により、資産が減少する可能性もあります。
例えば、リーマンショックのような大きな経済危機が起きた場合、資産価値が大きく減少することがあります。
また、投資は元本保証がないため、最終的な資産額が初期投資額を下回るリスクもあります。
さらに、介護が必要になったタイミングで投資資産が減少していると、資産を取り崩す際に思うように資金が確保できない場合もあります。
このため、投資だけに頼ることはリスクが伴い、計画的な運用が重要です。
※参照 金融庁 NISA

保険で介護費用を準備するという考え方
次に、保険を利用して介護費用を準備する方法について考えます。
保険は、介護が急に必要になった場合でも、すぐにお金を手に入れられるという安心感があります。
民間介護保険の種類
介護保険には主に2つのタイプがあります。
- 終身タイプ:一生涯保障が続きますが、保険料が高めです。これにより、いつ介護が必要になっても保障が続きます。
- 一定期間保障タイプ:例えば、1年更新など一定期間の保障があり、保険料が比較的割安です。これにより、必要な期間だけ保障を受けることができます。
また、給付方法もいくつかの選択肢があります。
- 一時金タイプ:一度にまとまった金額を受け取ることができます。
- 年金形式:介護年金として受け取ることができ、長期的に安定した資金の流れを確保できます。
- 併用タイプ:一時金で受け取り、その後年金として受け取るタイプです。
保険のメリットとデメリット
保険の最大のメリットは、介護が早期に必要になった場合でも、すぐに必要な資金を手に入れることができる点です。
また、掛け捨て型の保険に加入すれば、月々の保険料が安く抑えられます。
ただし、もし介護が必要にならなければ、保険料が無駄になってしまう可能性があります。
特に、掛け捨て型の場合は「支払った保険料が戻ってこない」といったデメリットがあるため、慎重に選択する必要があります。

「保険」と「投資」を組み合わせることも有力な選択肢
最適な選択肢の一つは、「保険」と「投資」を組み合わせることです。
これにより、それぞれのメリットを活かし、リスクを分散しながら介護費用を準備することができます。
保険で早期に必要な資金を確保し、投資で長期的に資産を増やすことで、将来の介護に備えるためのバランスの取れた方法を実現できます。
組み合わせ方の一例
例えば、70歳までの一定期間、保険で介護費用をカバーし、それ以降の資金準備を投資で行うという方法があります。
これにより、以下のメリットが得られます。
- 介護が早期に必要になった場合でも、割安な保険でカバーできる
- それ以降、長期間使わない資金を投資で増やし、無駄なく効率的に資産を運用できる
この方法は、早期に介護が必要になった場合でも安心でき、また長期間使わない資金を効率的に運用することができます。
実際の経験から
私自身の経験をお話ししますと、私の親は60歳で介護状態になりました。
この経験からも、早めに備えておくことがどれほど重要であるかを実感しています。
突然介護が必要になると、資金的な準備ができていないと選択肢が限られてしまいます。
特に、急な介護が必要になった場合、すぐにまとまった資金が用意できるかどうかが重要です。
なお、民間の介護保険を選ぶ際には、その保障内容や条件をよく確認しておくことも大切です。