60代を迎え、老後の生活に不安を感じている女性は少なくありません。
特に、
- 「夫が先立ったらどうしよう」
- 「年金だけで生活できるのか」
- 「貯金をどう管理すればいいのか」など
といった悩みは、多くの方が抱えています。
実際に、お金の管理をしっかりしている人とそうでない人とでは、老後の安心感に大きな差が生まれます。
本記事では、60代女性がひとり老後でも安心して暮らせるように、お金の管理方法を分かりやすく解説します。
60代女性が老後資金で失敗しやすいポイント

老後の資金管理で失敗しないためには、注意すべきポイントを知ることが大切です。
特に以下の5つの点に気をつけましょう。
1. 計画なしに貯金を取り崩してしまう
毎月の生活費を把握せずに「なんとなく」お金を使っていると、気づかないうちに貯金が減ってしまいます。
老後の後半に資金不足にならないよう、計画的に使うことが大切です。
2. 収入と支出のバランスを考えない
年金収入と貯金をどのように活用するか、中長期の計画を立てていないと、想定より早く資金が尽きる可能性があります。
生活費や突発的な支出を考慮した資金計画を立てましょう。
3. 無理な投資で資産を減らしてしまう
「投資で増やそう」と焦ってリスクの高い商品に手を出すと、逆に資産を減らしてしまうことも。
リスクとリターンを理解し、自分に合った資産運用を心がけましょう。
4. 予備費を確保せずに生活する
医療費や介護費など、老後は予想外の出費が増えることがあります。
十分な緊急資金を流動性のある資産で確保しておかないと、急な出費に対応できず、資産を大きく取り崩すことになりかねません。
5. 人任せでお金の管理をしてしまう
家族や知人、金融機関のアドバイザー任せにして、自分でお金の管理をしないのもリスクです。
最低限の金融知識を持ち、納得した上で判断することが大切です。
このような失敗を防ぐために、具体的なお金の管理法を見ていきましょう。
ひとり老後でも安心できるお金の管理の基本

1. 老後の生活費を把握する
まずは、自分が毎月どれくらいの生活費が必要なのかを確認しましょう。
家賃・食費・光熱費・通信費・医療費などを計算し、年金収入と貯金でどのように補えるかを考えます。
例えば、年金収入が月15万円で、生活費が20万円かかる場合、毎月5万円の赤字が発生します。
この差額をどのように補填するのか、計画を立てることが大切です。
そのためにも、ライフプランを作成し、短期だけではなく中長期の計画を立てることが重要になります。
ライフプランやキャッシュフロー表は自分で作成することもできますが、物価上昇率の考慮や、リスク・リターンを考えた資産配分、税制や軽減制度などの要素を含めると、手間と時間がかかります。
その場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの選択肢です。
2. 無駄な支出を見直す
無駄な支出を減らすことで、貯金の減少を抑えることができます。
例えば、以下のような項目を見直してみましょう。
- 不要なサブスクリプション(動画配信サービス・雑誌の定期購読など)
- 使っていないクレジットカードの年会費
- 見直し可能な保険(医療保険・がん保険など)
- スマホプランの変更による通信費の節約
少しの工夫で、毎月の支出を数千円~数万円削減できることもあります。
特に固定費の削減は効果が大きいです。
また、食費や趣味の支出には当初は手を付けない方がよいでしょう。
ここから削減しようとすると、楽しみがなくなり、生活の質が大きく低下する可能性があるためです。
3. 貯金を計画的に取り崩す
貯金を計画なしに取り崩すと、思ったより早く底をついてしまいます。
そこで、「どのくらいのペースで使うか」を決めておくことが大切です。
例えば、貯金が1,500万円あり、85歳までの25年間で取り崩す場合、年間60万円(月5万円)使える計算になります。
しかし、物価上昇や予想外の支出があると計画が狂う可能性があります。
軽微なズレであれば、生活費の調整で対応できますが、大きなズレが生じる場合には、改めて資金計画を見直す必要があります。
そのためにも、ライフプランを作成し、長期的な資金計画を立てることをおすすめします。
4. 低リスクで資産を守る方法を考える
「投資は怖い」と思う方も多いですが、全く増やさないのも不安という場合は、リスクの低い資産運用を検討するのも一つの方法です。
- 定期預金や個人向け国債で安全に運用
- リスクをコントロールした投資の活用
リターンばかりを追うのではなく、リスクも把握することが重要です。
例えば、ライフプランを立ててキャッシュフロー分析を行い、95歳で資金が枯渇することが判明した場合、98歳や100歳までお金を確保するために、どのくらいのリターンが必要かを把握することができます。
その結果に基づいて資産配分を考え、自分が受け入れられるリスクを検討することが大切です。
リスクを抑えながら資産を増やす方法として、「長期・分散・積立」投資があります。
毎月少しずつ積み立てる投資信託を利用するのも一つの手段でしょう。
老後資金を計画的に管理し、安心して生活するために、総合的に検討することが重要です。
まとめ

ひとり老後のお金の管理は、今後の生活に大きく影響します。
「このままの貯金で大丈夫?」「年金だけで足りる?」といった悩みがある方は、一度専門家に相談するのもおすすめです。
当事務所では、60代女性のための「老後のお金の管理」についてアドバイスを行っています。
ご自身の状況に合わせた具体的な対策をご提案しますので、不安を感じている方はぜひご相談ください。
老後のお金は、早めにしっかり管理することで安心感が生まれます。
自分に合ったお金の使い方を考えていきましょう!
また、介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。
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