親の介護が現実になってくると、避けて通れないのが「施設に入るといくらかかるのか?」というお金の話です。
中でも杉並区は、都内でも暮らしやすい地域として人気が高く、有料老人ホームの選択肢も豊富にあります。
今回は、私が杉並区内の有料老人ホームを10か所ほどピックアップして、実際にどれくらいの費用がかかるのかを調べてみました。
選び方としては「いくつか条件を見つつ、ざっくりと」選んだ施設なので、全体の平均というわけではありませんが、「杉並区で探すならこんな感じかも」という感覚はつかんでいただけると思います。
「ピンキリ」では伝わらない、地域ごとの傾向を知る

有料老人ホームは本当にピンキリです。
数十万円の入居金で済むところもあれば、数千万円の一時金が必要なところもありますし、月額利用料も施設によって大きく差があります。
ただし、同じエリアであれば「地域相場」が存在するのも事実。
また、最近の有料老人ホームでは、一時金の金額に応じて月額利用料が変わる「選択型プラン」を用意している施設も少なくありません。
たとえば「1,000万円を前払いすれば月額30万円」「1,500万円なら月額20万円」といった具合に、資金の出し方に合わせて柔軟に選べるようになっています。
さらに、一時金プランでは入居時の年齢によって金額が変わることもあるため、「同じ施設・同じ部屋」でも、80歳で入る場合と90歳で入る場合では、必要な一時金に差が出ることもあります。
今回の比較では、施設ごとにある程度の幅を持って取り上げていますが、詳細なプラン内容は各施設のホームページなどで確認するのがおすすめです。
そこで今回は、杉並区内に実在する10か所の施設について、次の3点を比較してみました。
- 人員配置(介護体制の充実度)
- 一時金(入居時に必要なまとまったお金)
- 月額利用料(家賃+食費+管理費など)
これによって、「杉並区で探すなら、だいたいこのくらいは見ておいたほうがいい」という感覚がつかめると思います。
なお、ここで紹介する月額利用料には、介護保険サービスの自己負担分やおむつ代、医療費などは含まれていません。
そのため、実際にかかる費用はプラスしておおよそ月5万円程度を見込んでおくと、より現実的な予算感になります。
※そのほかの要素は全く加味していませんのでご了承ください。

※入居一時金や月額費用は千円単位は切上げ
※敷金は入居一時金に入れていません
※1人分を対象にしています
10か所の施設を比較してみると、いくつかの特徴が見えてきました。
まず、入居一時金については「0円〜数千万円」と非常に幅がありますが、最近は一時金0円プランを用意している施設も多く、初期費用を抑えたい方にも選択肢があります。
とはいえ、その分月額費用が高めに設定されており、長期的な視点での検討が必要です。
月額利用料については、安い施設で20万円前後、高めの施設では50万円以上という結果でした。
杉並区の中でも駅に近い・新しくて綺麗・介護体制が手厚いなどの条件がそろうと、やはり費用は上がる傾向にあります。
人員配置については、入居者3人に対して職員1人の場合は、入居一時金がゼロ(敷金は必要)の場合もあり、月額費用は30万円弱でした。「2:1」等の手厚い介護になると当然、費用は高くなります。
杉並区で探すなら、予算感はこれくらい?

今回比較した結果から、杉並区で有料老人ホームを探す際の「目安」としては、以下のような予算感が見えてきます。
- 一時金:0円〜1500万円
- 月額費用:20万円〜40万円(さらに5万プラスしたほうが無難)
- 人員配置:手厚い介護もあり
もちろん、これがすべての施設に当てはまるわけではありませんが、「杉並区で探すならこれくらいかかるかも」という感覚を持っておくと、予算を立てる際にとても参考になります。
今回は私が情報を確認しやすかった施設、見つけやすい施設を中心にざっくり選んだものなので、あくまで「参考の参考」として見ていただけると嬉しいです。
とはいえ、だいたいの相場感やプランの傾向を知るには、きっと役立つと思います。
お金のことは、早めに考えておくことが大切

施設を探し始めると、「今の親の状態でどこまでのサービスが必要か?」「お金はどのくらい出せるか?」という現実に向き合うことになります。
そしてこのとき、施設費用を誰が、どこから、どうやって出すかも同時に考えておく必要があります。
- 親の年金だけで足りるのか?
- 足りない分は子どもが出すのか?
- もし長期間入居することになったら、資金は持つのか?
こうした不安を残したまま施設選びをすると、いざというときに「もっと考えておけばよかった」と後悔することにもなりかねません。

老人ホーム選びと資金計画はセットで考えよう
「施設のパンフレットは見たけど、どこもよさそうで決められない」
「親のお金をどう使えばいいのか、兄弟でもめそうで不安」
こういった声は非常によく聞きます。
だからこそ、施設選びと同時に「資金の見通し」や「将来の財産管理」もセットで考えていくことが大切です。
施設の比較はあくまで一つの出発点に過ぎません。
今のうちから情報を集めておくことで、将来の選択肢を広げることができます。
もし、「うちの場合はどうなるのか?」と具体的に知りたい方は、お気軽にご相談ください。
介護にかかる費用や親のお金の使い方、兄弟間のバランスなど、家族ごとに異なるケースを一緒に整理するお手伝いをしています。
また、「うちの場合、どう備えたらいいのか?」「親のお金をどう管理すべきか?」といったご相談も承っています。お気軽にご相談ください。
介護や生活に関するさまざまなテーマについて、介護ポストセブンでも取り上げています。こちらの記事もぜひご覧ください。
メディア掲載実績
私のコメントや情報提供を行った記事が、以下のメディアに掲載されています。詳しくはこちらをご覧ください。
【最近のご相談例】
・介護費用がどれくらいかかるのか不安(50代女性)
・親の遺言書・生前贈与について(40代男性)
・資産運用について基本を整理したい(60代女性)など
【過去の一部の相談事例】
・介護費用に関連する補足給付について(50代女性)
・医療費控除の概要について(50代女性)
・親の有料老人ホームの費用に関するキャッシュフロー表作成(50代夫婦)
・親の収入や資産から子どもへの援助に関するキャッシュフロー表作成(50代女性)
・親の保険と介護費用に関するご相談(50代女性)
・自宅の民事信託の活用と概要について(50代男性)
・所得控除と介護費用の関連について(60代女性)
・金融機関の解約手続きについてのご相談(60代女性)
・遺産分割協議書の作成に関するご相談(60代女性)
・親の介護費用と一時払終身保険の活用について(50代女性)
・老後資金のキャッシュフロー表作成(60代男性)
・年金受給に関するご相談(60代男性)など
※初回20分無料相談受付中です。お気軽にご連絡ください。
親の介護、準備できていますか?チェックリスト10

「親が後期高齢者になったけど、何を準備すればいいかわからない…」
そんな方のために、今すぐできるチェックリストをご用意しました!
✅ 親の年金額と貯蓄額を把握している
✅ 親が要介護になった場合、どのくらいの費用がかかるか試算したことがある
✅ 介護費用をどこから出すのか決めている(親の資産・子どもの援助など)
✅ 親の銀行口座や財産を管理する方法(家族信託・成年後見など)を考えている
✅ 親が認知症になったときの財産管理・手続きをどうするか決まっている
✅ 介護施設に入る場合の費用や条件を調べたことがある
✅ 介護費用の公的支援制度(高額介護サービス費・税控除など)を理解している
✅ 兄弟姉妹と介護費用や負担について話し合ったことがある
✅ 介護が必要になったとき、誰が主に対応するのか家族で合意している
✅ 親と「介護が必要になったときの希望」について話したことがある
✅ 半分以下の方へ
介護費用や生前対策が不十分な可能性があります。
いざというときに困らないために、今のうちに対策を進めましょう!