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介護が始まる前に知っておくべき「お金の使い方」とは?

介護に関する情報は、今ではネットでも役所でもたくさん手に入るようになりました。

  • 特別養護老人ホームに入るにはどうしたらいいのか
  • 介護になったときの最初の相談先は?
  • 介護保険の申請方法は?
  • 高額介護サービス費の払い戻しってどうなっているの?
  • 介護費用は医療費控除になるの?など。

こうした制度的な知識は、頑張れば自分で調べることができますし、地域包括支援センターやケアマネジャーさんなどでも教えてもらえます。

 

でも、そこでふと立ち止まる瞬間があります。

 

制度のことは理解できた。手続きも進んだ。

 

じゃあ、実際にかかるお金を「どうやって使っていくか」は、誰に聞けばいいのか?

 

ここに、ぽっかりと穴が空いてしまう人が多いように感じています。


親が元気なうちに、考え始めるべき「お金の使い方」

  • 親がまだ元気なうちに、介護費用の準備はどうしておけばいいのか?
  • 親の年金だけでは足りないかもしれない。その場合、どうやって資産を活用すればいいのか?
  • 万が一、親が急に介護が必要になった時、家の売却など、どんな選択肢を選ぶべきか?

こうした疑問がふと湧いたとき、どこに相談すればいいのか、悩んでしまう方が多いのではないでしょうか。

 

家族で集まって話し合いをすることができれば問題は少ないかもしれませんが、仕事や家庭を持ち、忙しい日々を送っている中で、まだ元気な親のことを考える余裕がない方も多いでしょう。

 

自分たちの生活で精一杯というのが現実です。

 

しかし、親が元気であっても、年々体力は衰えていきます。

 

そして、介護が必要になる状況は突如として襲ってきます。

 

特に85歳を超えて健在で元気であっても介護の準備をしておくべき時期に差し掛かります。

 

元気なうちに何を考えておくべきか、どう準備しておくべきかを今から考えておくことが非常に重要です。

 

現時点では親が元気でも、介護が必要になるときに向けて、どのように資産を準備するかは簡単に答えが出せる問題ではありません。

 

しかし、早期に準備を始めておくことで、いざという時に慌てずに済むのです。


制度の知識だけでは「お金の使い方」までは答えられない

親が元気なうちに、介護のためにどれくらいの資産を確保しておくべきか、どのように管理していくか。

 

この「お金の使い方」については、制度の知識だけでは解決できません。

 

確かに、地域包括支援センターやケアマネジャーさんは、介護保険制度や介護サービスに関する情報を提供してくれます。

 

しかし、実際に「親の貯金や年金をどう活用するか」「不動産をどうするか」「実家が空き家になればどんなコストがかかるのか?」などといった家計全体の問題や、お金の具体的な配分に関しては、明確なアドバイスをもらうことは難しいのが現実です。

 

これらの部分は、介護の専門家が対応する領域ではなく、家計や資産管理に関する知識が求められるためです。

 

また、税理士や金融機関も同様に、介護費用の配分や家計の最適化に関してはあまり深く踏み込んでいない場合が多いです。

 

税理士は税務に関するアドバイスを提供してくれますが、介護に伴う生活費や施設費用の分配については、一般的にアドバイスの範囲外となります。

 

同じように、金融機関は資産運用や投資についての提案は得意としていても、介護にかかるお金をどのように管理し、どのように使うべきかに関しては、具体的なことは行いません。

 

そのため、制度や法的な知識に関しては理解できていても、親の介護を迎えるために「どうお金を使うか」という部分は、最終的には家族が独自に判断することになります。

 

特に、「親の預金や年金をどこまで使うべきか」「施設費用をどのように準備するか」「不動産の管理方法や売却か否か」といった部分については、現実的な判断は最終的に家族自身が行うことになります。

 

こうした中で重要になるのが、家計全体を見渡し、将来の介護に備えて「どのようにお金を使っていくか」を早い段階から考えることです。

 

だからこそ、まだ親が元気な今のうちに、ファイナンシャルプランナーなど第三者の知見も取り入れながら、資産の管理や使い方について計画的に整理しておくことが、とても大切なのです。


早めに「家計」と「制度」をつなげる視点が必要

だからこそ、親が元気なうちから「介護にかかるお金の使い方」を考えておくことが非常に重要です。

 

介護保険制度などの知識を知っているだけでは不十分で、家計や資産の管理という視点を早い段階から持っておくことで、いざというときに慌てずに対応することができます。たとえば、ご家庭の状況に応じて、

  • 親の年金や貯金をどう活用するか
  • 持ち家をどう管理・活用するか
  • 相続の準備をどのように進めるか

といったことは、今のうちに準備できる対策のひとつです。

 

ただし、親の資産に関わる話は非常にデリケートな問題でもあります。


親自身が状況を正しく認識し、自ら行動してくれるのであれば理想的ですが、現実にはそううまくいかないケースも多く、子ども側からアクションを起こさなければならない場面も出てきます。

 

その際に、特に注意したいのが「親への伝え方」です。

 

たとえ子どもが善意から話を切り出しても、資産やお金の話を唐突に持ち出すと、親子の信頼関係にヒビが入ってしまうことさえあります。


「自分のお金に口出しされた」と感じられてしまうと、会話そのものが難しくなってしまいます。

 

だからこそ、家族での話し合いは、タイミングや言い方、順序立てた進め方に十分な配慮が必要です。


そして何よりも忘れてはならないのは、「親の財産である以上、たとえ子どもであっても勝手に決めることはできない」ということです。

 

そうした背景をふまえながら、必要に応じて第三者の立場からアドバイスを受けることで、よりスムーズに、客観的な視点で話を進められる場合もあります。


信頼できる第三者が間に入ることで、親も安心して耳を傾けてくれることも少なくないです。

 

 ※朝日Reライフ.net「親の介護が必要になったら?負担を軽くするコツとトラブル解決策」


まとめ:今なら「選べるうちに」準備ができる

もし、親の将来の介護費用が気になっているなら、今のうちに「お金の使い方」や「資産管理」を見直しておくことをおすすめします。

 

とはいえ、「親のお金」に子どもが口を出すのは、そう簡単なことではありません。

 

ですが、それでも踏み込まなければならない背景には、いざ介護が始まったときに、子どもが経済的に支援する必要が出てくる可能性があるからです。

 

もし、親自身の資産で介護費用がまかなえるのであれば、子どもがあれこれ言う必要はありません。

 

親が自分の意思で自由に使えばいいのです。

 

しかし、現実には、「どの程度の支援が必要になるのか」がわからなければ、子ども側の生活設計も立てにくいという課題があります。

 

そのため、年金や預貯金、不動産の状況など、ある程度は把握しておく必要があるのです。

 

今なら、選択肢があるうちに準備ができます。

 

事前にしっかりと計画を立てておけば、突然の介護にも落ち着いて対応でき、家族全体の負担も大きく軽減されます。たとえば…

こうした準備は、親が元気な今だからこそ、無理なく始められるのです。「親が元気なうちに、今から何を考えておけばいいのか?」

 

そんな不安や疑問を、一緒に整理していきませんか?

 

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